最終更新日:2017年08月28日
1.国の重要文化財指定
国の文化審議会は、平成21年3月19日(木)、南種子町所有の「広田遺跡出土品」を国の重要文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。なお、正式な国指定は、官報告示をもって決定します。
広田遺跡は、平成20年3月28日に「国史跡」に指定されています。
これまで、「広田遺跡出土品」は昭和30年代の発掘で発見されたもの(鹿児島県黎明館及び国立歴史民俗博物館が所有)だけが、国の重要文化財に指定されていました(平成18年6月9日指定)。
今回新たに、南種子町が所有する平成17~18年の調査で発見された「広田遺跡出土品」が国の重要文化財に追加指定されることが決まりました。
なお、考古資料としては種子島・屋久島で初めての国の重要文化財指定です。
また、鹿児島県内で考古資料の重要文化財は、「広田遺跡出土品」と「上野原遺跡出土品」だけです。
写真1 国重要文化財 広田遺跡出土品(南種子町所有)
これらは、貝符・貝輪・竜佩形貝垂飾等と呼ばれる貝製品で、1700年前の広田人が身につけていたアクセサリーです。
2.指定理由
「広田遺跡出土品」は、弥生時代後期後半から古墳時代頃に海岸の砂丘上に築かれた集団墓地「広田遺跡」から出土した考古資料です。
出土品は、奄美・沖縄諸島産の大型巻貝を素材とし精緻な彫刻文で飾られた貝符や、豊富な貝輪、貝匙、貝垂飾などの多彩な貝製品とガラス玉、石鏃、土器などです。
広田遺跡にみられる多量の貝製品をお墓に副葬する文化は、日本国内で他に例がなく、日本列島の古墳文化と、種子島を含む南島文化との比較研究をする上で、極めて貴重な資料です。