最終更新日:2017年08月02日
南種子町行財政改革
1.これまでの取り組み
- 昭和60年 第1次町行政改革大綱策定 (昭和61年度~平成7年度)
- 平成 8年 第2次町行政改革大綱策定 (平成8年度~平成12年度)
- 平成13年 第3次町行政改革大綱策定 (平成13年度~平成17年度)
- 平成18年 第4次町行財政改革大綱策定 (平成18年度~平成22年度)
- 平成23年 第5次町行財政改革大綱策定 (平成23年度~平成27年度)
第6次南種子町行財政改革大綱(平成28年度~平成32年度)
Ⅰ 行財政改革大綱策定にあたって
本町においては,昭和60年からの第1次行財政改革大綱に取り組んで以降,平成23年度から平成27年度までを期間とした現在の第5次行財政改革大綱に至るまで,社会情勢や町民ニーズの変化に対応しながら,行財政改革を進めてきました。
本町を取り巻く情勢は,人口減少・少子高齢化の進展,公共施設の老朽化に伴う財政負担の増加,多様化する町民ニーズへの対応など一層厳しい状況になることが想定されます。また,町税等の歳入は,少子化高齢化による生産人口の減少から大幅な伸びは期待できず,地方交付税の安定的な確保の見通しも不透明であります。加えて,地方分権の推進による業務の拡大や,国の「まち・ひと・しごとの地方創生」の施策など,これまで以上に自己決定・自己責任による行財政運営が求められ,基礎的自治体である市町村の果たすべき役割は質・量ともに変化しています。
このように自治体を取り巻く環境が一層厳しさを増すなか,今後この状況を乗り切るためには,最小の経費で最大の効果を上げるという行財政運営の基本に立ち,真に必要な行政サービスの選択やコストの縮減などを徹底するとともに,町民が痛みを伴う改革についても十分な説明をし,理解を得ながら,さらなる行財政改革の推進に取り組み,着実な成果を挙げることが重要であると考えます。
そこで,持続可能な財政運営を基本とした第5次大綱の基本施策を受け継ぐこととし,中・長期的な見通しに立ち,行政として取り組むべき指針を明らかにするため,新たに第6次南種子町行財政改革大綱を策定するものです。
Ⅱ これまでの取り組み状況
1.昭和60年 第1次行政改革大綱策定
2.平成 8年 第2次行政改革大綱策定
3.平成13年 第3次行政改革大綱策定
4.平成18年 第4次行財政改革大綱策定
5.平成23年 第5次行財政改革大綱策定
≪第5次の基本方針や取り組み内容≫
① 改革の視点(基本方針)
ア.町民との協働による行政
イ.町民の目線に立った行政
ウ.常にコスト意識を持ち,将来につながる経営感覚に立脚した行政
② 基本的な方策
ア.町民の参画と協働
イ.自らの責任における簡素かつ効率的な行政の推進
ウ.行政体制の整備と職員の意識改革
エ.行政改革の推進状況の評価
Ⅲ 今後の取り組みについて
1 基本方針
『自立・自興 参加と連帯によるまちづくり』の構築
本町を取り巻く行財政環境は非常に厳しく,今後も自治体としての機能を維持していくためには,行政の果たすべき役割やあるべき方向性を明確にし,行財政運営全般について,これまで以上に積極的な行財政改革の取り組みが求められています。
第6次行財政改革大綱については,第五次南種子町長期振興計画の基本理念である「自立・自興 参加と連帯によるまちづくり」の構築に向け,次の4つを基本施策とし,行財政改革の推進に取り組むこととします。
また,基本施策の推進項目の中でも特に重要なものについては,重点事項に位置づけ,具体的な取り組み方針を策定し,より積極的に推進を図っていくこととします。
1 町民の参画と協働
2 利便性の高い効率的な行政運営
3 組織の効率化と職員の資質向上
4 健全で持続可能な財政運営
2 実施期間
行財政改革大綱の実施期間は,平成28年度から平成32年度までの5年間とします。また,社会情勢や町民ニーズの変化に対応する必要性が生じた場合には,見直しを行うものとします。
3 推進体制と進行管理
(1)推進体制
町長を本部長とする「南種子町行政改革推進本部」を中心として,全庁を挙げて取り組み,行財政改革の着実な推進を図ります。
(2)進行管理と評価
行財政改革の着実な推進と適切な進行管理を行うため,第三者の委員会において,毎年度ごとに進行状況を評価し,結果に基づき次年度以降の推進内容等を見直し,継続的かつ積極的な取り組みを推進します。
Ⅳ 基本施策
1 町民の参画と協働
町民,団体,行政など地域を構成する多様な主体が,町政に関わりを持ち,地域の抱えるさまざまな課題を解決するために,町民参画及び公正で透明な町政の推進を図ります。また,町民が町政運営に参加する環境を整えるため,町政情報の効果的な発信や公聴機能の充実を図り,町民とともに進める活力に満ちたまちづくりを推進します。
(1)町民参画の推進
町民と行政が一体となって支える地域社会を構築するため,地域(自治会)やNPO等の各種団体への支援や,地域を担う人材育成に取り組み,協働のまちづくりを推進します。
【推進項目】
① コミュニティ活動の推進
② NPO等との連携
③ ボランティアの活用
(2)公正で透明な町政の推進
町民が町政に対する理解を深めるため,わかりやすく利便性の高い行政情報の提供や内容の充実,各種会議録の公開など積極的に取り組み,公正で透明性の高い行政運営を推進します。
【推進項目】
① 行政情報公開の推進
② 公聴機能の充実
2 利便性の高い効率的な行政運営
地方分権の時代を迎え,新たな行政課題や社会経済情勢の変化、多様化する住民ニーズに的確に応えるため,常に町民の立場に立った便利で利用しやすい行政サービスの提供に努めるとともに,全ての事務事業において,効果や必要性の検証・評価を行い,積極的な改善等に取り組みます。
また,イベント業務を含め,町が直営で行うよりも民間の能力や専門知識,ノウハウを活用した方がより効果的・効率的なサービスの提供につながる業務については,行政責任の確保に留意しながら,民間に引き継ぐこととします。
(1)利便性の高い行政サービスの提供
各種サービスにおいて,町民の立場に立った町民ニーズの変化や多様化に対応した,利便性の高い行政サービスを提供し,町民満足度の向上を目指します。
【推進項目】
① わかりやすい行政手続きの実現
(2)事務の効率化の推進
内部事務及び外部団体等支援事務について,効果・必要性を検証し積極的な見直しを行ない,事務の簡素化,効率化を図ります。また,広域行政の推進についても関係自治体との連携をさらに充実し,効率的な行政サービスの向上を図ります。
【推進項目】
① 事務事業の見直し《重点事項》
② 広域行政の推進
③ 内部事務の効率化《重点事項》
④ イベント等業務の見直し
(3)民間活力の積極的な活用
公共的なサービスについては,行政だけでなく民間も参入して公的な役割を担っている分野もあり,行政サービスの質とコストなど総合的に判断し,民営化や指定管理者制度の導入を検討し,民間活力の有効活用を図ります。
【推進項目】
① 民間活力の導入
② 指定管理者制度の効果的な運用
(4)第三セクター事業の経営改善対策の推進
種子島農業公社は,町の行政施策と連携しながら,一定の役割を果たしてきましたが,依然として厳しい経営状況であります。経済環境の変化に伴う影響などを踏まえ,その設立趣旨や役割,運営状況等に照らして,今後のあり方を再検討し,公社の行なう事業展開の見直しを図ります。
種子島空港ターミナルビル株式会社においても,関係自治体と連携しながら経営の安定化に向けて取り組みます。
【推進項目】
① 第三セクター事業の経営改善対策の推進
(5)補助金等の効果的な執行
補助金の効率的・効果的かつ適正な執行を確保し,客観性と透明性をもった補助金制度を構築するため,既存の補助金等については,行政の役割分担,負担割合のあり方,補助団体の活動状況等を精査し,社会的・経済的に実情に合わなくなったもの,すでに目的や役割を終えているものについては,統廃合をするなどの見直しを推進します。
新規の補助金等については,原則認めないものとしますが,やむを得ない場合でも,終期を設定するなど補助金等の総額の抑制に努めます。
【推進項目】
① 補助金の見直しと総額の抑制《重点事項》
② 負担金の見直し《重点事項》
3 組織の効率化と職員の資質向上
人口減少や高齢化など社会構造の変革や地方分権にともない高度化・多様化する行政需要に迅速かつ的確に対応するための効率的な行政組織の構築を目指すとともに,適正な定員管理・人事管理に努めます。
また,分権時代に必要な,政策形成能力を持ち様々な課題に対応できる人材育成に取り組み,職員の資質向上を図ります。
(1)定員管理・人事管理の適正化
行政組織のスリム化のための職員数の抑制については,権限移譲や地方創生事業にともなう事務量の増加と行政サービスとのバランスに配慮しながら,計画的に実施します。また,将来を見据えた計画的な職員採用による年齢の平準化など,職員の適正な定員管理を推進します。
【推進項目】
① 定員管理・人事管理の適正化《重点事項》
(2)給与制度の適正化
町の財政状況等を十分勘案し,国・県の動向を踏まえ,給与の適正化に努めます。また,諸手当についても支給基準を精査し適正な見直しを行います。
【推進項目】
① 給与制度の適正化
② 公務員制度改革に伴う対応
(3)効率的な組織体制の確立
組織全般にわたる点検に基づいて,時代に即した課・係等の再編を行い,町民にわかりやすい簡素かつ効率的な組織づくりに努めます。また,多岐にわたる課題に対しては,課の枠を超えて行政全体で課題の解決に取り組むなど,弾力的な組織運営を行います。
【推進項目】
① 組織・機構の見直し《重点事項》
② 勤務時間の弾力的運用
③ 審議会等の活性化と整理統合
(4)人的資源の有効活用
定員の適正化を推進する中にあって,効率的な行政運営を図っていくためには職員個々の資質向上が必要であり,研修の強化などにより,政策形成能力等幅広い見識を備えた人材の育成を図ります。また,人事評価制度の適切な運用により,職員一人ひとりが目的意識を持って職務を遂行するため,コスト意識の徹底や接遇力の強化など職員の意識改革を推進します。
【推進項目】
① 職員の能力(政策形成能力等)開発推進
4 健全で持続可能な財政運営
人口減少等による税収の伸び悩みや地方交付税の安定的な確保の見通しも不透明な中,本町の財政状況は,経常的経費の占める割合が依然として高い水準にあるなど,厳しい状況にあります。今後もこのような状況が続くものと考えられることから,中長期的な財政見通しに立ち,安定した財政基盤を確立するため,全ての事業について検証を行い,経費の削減を図ります。
また,町有財産の有効活用や手数料の見直し,ふるさと納税の更なる推進に取り組み,新たな財源の確保に努め,将来に負担を残さない健全で持続可能な財政運営を目指します。
(1)財源の確保
自主財源の確保のため,引続き徴収体制の強化や強制執行の法的措置の実施により,徴収率の向上に努めます。また,税の公平性の観点から,延滞金徴収の徹底や課税客体の適正把握に努めるとともに,全期前納奨励金制度の廃止を検討します。
【推進項目】
① 町税収入等の確保
② 町税外収入の確保
(2)町有財産の適正管理
町有財産台帳をもとに,未利用地や遊休地の貸付や売却などを積極的に進めるほか,町の事業に活用できそうな土地については、普通財産から行政財産への切り替えを行うことにより有効的な活用を図ります。また,公共施設等総合管理計画に基づき,公共施設の更新・長寿命化を長期的かつ計画的に推進します。
【推進項目】
① 町有財産の有効活用
② 公共施設の適正管理
(3)受益者負担の適正化
受益と負担の公平を期するため適正な使用料,手数料等の見直しを検討すると共に,減免(免除)制度の在り方を充分に検討します。
【推進項目】
① 使用料の見直し
② 手数料の見直し
(4)経常的経費の節減
職員一人ひとりのコスト意識を徹底し,組織をあげて様々な手法により行政経費の節減・効率化の取り組みを徹底します。
【推進項目】
① 物件費の節減
(5)事業の重点化
効果的な公共投資を実現するため,公共事業の見直しと重点化を行い,投資的経費の抑制を図ります。
【推進項目】
① 町単独公共事業の見直し
② 計画・設計段階での事業の見直し
(6)町債発行の適正化
長期的な視野に立ち,各種事業の重要度や緊急性など十分な分析・検討により事業選択を行い,投資的経費の縮減による町債発行の抑制に努めます。
また,町債発行にあたっては,引き続き,交付税措置のある有利な起債を活用します。
【推進項目】
① 公債費比率等の適正維持
② 町債残高の圧縮
③ 有利な地方債の選択
(7)特別会計の経営健全化
各会計は独立採算を基本とする健全かつ持続的な経営を原則としていますが、それぞれの会計が特殊な課題を抱え,厳しい経営を行っている状況です。特に国保と簡易水道は,その経営ための財源を各会計の中での収入では賄いきれず,一般会計からの繰入れを行っているのが現状です。
安定的に事業を継続していくため,保険料・使用料等の見直しも視野に入れて,事務事業の改善や収納率の向上により一層取り組み,経営の健全化に努めます。
【推進項目】
① 特別会計に係る保険料・使用料等の見直し《重点事項》